こんにちは。
演劇ワークショップを主催しているo-stageの椿留美子です。
ワークショップでは、参加者の方にそれぞれ選んでもらった詩を朗読発表していただくことがあります。
朗読と言っても、
覚えてもよし
見ていってもよし
自由に動きをつけてもよし
動かなくて立ちっぱなしでも、椅子に座ってもよい。
全く自由な体制でやります。
そう、本人におまかせ、です。
ただ、前回稽古でやったことに対するアドバイスがあるので、それをどう生かして今日の発表につなげるか。
はい、それもおまかせ。
ひとりずつの発表にドキドキ。
みなさん、それぞれの課題を考えて持ってきてくださいました。
発表した後は、自分の感じたこと、観ていた人が感じたことをそれぞれシェアしていきます。
「表現の幅」
という言葉がよく使われますが、その日はその言葉を感じた日でした。
演劇をやってきた人、
ほとんど経験の無い人、
さまざまな方がいらっしゃいましたが、舞台に立つと経験なんて関係ない。
観客はそんなことどうでもいいのです。
ただ
“よいもの”
が観たいだけなんです。
「表現に幅がある」
とは一般的に表現力がある、表現が豊かである、ということに使われますが、
「力」
「豊か」
ってどれくらいのものなんでしょう。
もちろん技術を磨いて得られるものもあります。
しかし今日みなさんの発表を見て感じたのは、
表現はにじみでるもの
ということです。
一人ひとりの人生や思想、信念が知らず知らずに現れる。
みなさんの歩んできた道が垣間見られる。
そう、舞台って丸見えなんです。
そのひとズバリが見えてしまう。
舞台って怖いでしょう。
それでも表現したいと来てくださった方たち。
ほら、いい顔しています!!
ひとりひとりの人生は決して無駄じゃない。
喜びも
悲しみも
怒りも
挫折も
苦悩も
みんな生かせる。宝物です。
怒ったことのない人に「燃え上がる怒り」を説明しても難しいでしょう。
挫折したことがなければ、その時の「悔しい思い」「無力感」など想像をし難いでしょう。
そう思うと苦労もなんのその、って思えることもあります(笑)。
自分の人生でない別の人生を生きられるのも演劇の醍醐味。
自分の過去の経験や、心の中を思い出すとか、確認するって
ネガティブなことほどいやなものですが、
「それが生かせる??」
となるとおもしろいものです。
これからも、人生に果敢に向かっていける気がしてきます。