小劇場は私の原点です。
私は岡山の田舎に育ったので、そこには大きな文化センターと呼ばれるホールが1つあるのみでした。
ピアノを習っていた先生が声楽の専門家でもあったので、
クラシック音楽やオペラなるものを教えてくれてそこに観に行ったものです。
そして、お芝居に興味を持ち始めてからもそこでやる高校演劇祭、東京からきた劇団の公演などを観に行きました。
お芝居とは、そんな大きなホールでやるものだと思っていたのです。
今思うと、そのころ観ていた芝居は新劇と呼ばれる、文学座や民藝、俳優座などでした。
ところが、高校生になってたまたま本屋で見つけた
「演劇ぶっく」(今は「えんぶ」と改名)
という雑誌を見てから衝撃を受けました。
お芝居ってありすぎるーーー!!!
それも小劇場(芝居小屋?)といわれるところがたくさんあって、役者の汗や唾が飛んでくる距離で見られる??
当時は小劇場ブームの盛り上がってきたところでもあって(夢の遊民社や第三舞台など)、
遊民社の野田秀樹さんが
「演劇はスポーツだぁ~」
という言葉が印象的でよく話題になり、演劇好きの青年たちは圧倒されていました。
私も片田舎からこの小劇場ブームの中の劇団の芝居を観てみたい、と一番近いと思われる
神戸、大阪に足を運ぶのでした。
まずどこでチケットを買ったらいいかもわからず、雑誌に書かれてある
「チケットぴあ」
というところで電話予約。
チケットを送ってもらうのですが、速達書留?のようなものでしか送ってもらえず
今考えると、送料がずいぶんかかっていたと思います。
田舎所以の仕方ない状況でした。
そんなこんなで、土日をねらってお芝居を観に行っていました。
その時は小劇場というよりはもう少し大きな立派な劇場に、人気劇団が来ていました。
本当の小劇場を体験したのは東京に来てからです。
とにかく見まくっていました。
小劇場では、下北沢の駅前劇場やすずなり、ベニサンピッド、渋谷ジャンジャンなど
大きい劇場も行きましたが、やはり独特の
「小劇場の一体感」
はなんとも言えません。
まだそんなに話題になる前でも三谷幸喜さん率いる
「東京サンシャインボーイズ」
は人気上昇中の劇団で、印象に残っています。
好きです。小劇場。
汗が飛んできたこともありました。
水が飛んできたこともありました。
手を伸ばせばすぐ触れられるその距離で、しかし、全くちがう世界を作っていて観客が巻き込まれる。
そんな劇場で12月にお芝居をやります。
どうぞお越しください。
楽しみです。