稽古を積み重ねていく、ということは
その時出来たことを基盤としてさらに次へのステップにいく、
ということです。
これは芝居の稽古に限らず
仕事の技術を向上させること
スポーツや趣味の練習
などにも当てはまることだと思います。
ということは、その時にできていたことを忘れてしまっていたり出来なくなっていたら・・・
また一からやり直し。
積みあがっていくことができない。
当たり前のことですね。
でも、それはよくあることなんです。
どの仕事のことでも当てはまることだと思いますが、今はお芝居の稽古のこととしてお話します。
その水準をキープする、というのはとても技術のいることだし、
キープできるのはちゃんとその時に理解しているかどうかにもかかってきます。
そして理解が出来ていたとしてもその力が自分にまだ備わっていなければキープできません。
そう、やはり地道にコツコツ力を積み上げているかどうかなのです。
例えば、12、3年前にこんなことがありました。
ある芝居の稽古で、娘と父親の会話するシーン(私は娘役)でした。
ある暑い夏の日、二人は畳に座って話をしていました。
ここでの要素としては、
夜である
暑い
汗がしたたる
そのほかにその時の会話の感情が入ってきます。
そのシーンの態勢としては「座って話をする」ということで成立する場面です。
そこに演出家が加えたのが、
➀「1匹の蚊」が飛んでいる
さあ、芝居が変わってきます。
それができると次は
②蚊取り線香が近くに置いてあり、煙たい
次は
③煙が臭いので会話しながら足で蚊取り線香をよける
次々と要素が足されるわけです。
セルフの言い方や、体の動き、気持ちなどすべてに影響が出てきます。
今までの座っただけの会話から大きな動きの変化が起こるのです。
出来なければそこでストップ。
ヘタすればすべてなし(!)
最初の座っただけに戻されてしまうわけです。
↓
ああ、がっくり・・・となる。
出来なければ出来ないでそれでもそのシーンはいいのかもしれませんが、
もしできればそのシーンは飛躍的に生き生きとしてくるわけです。
そして喜劇的要素も加わって、深刻なシーンであったなら
泣き笑いの心揺さぶられる場面となるかもしれません。
そういう風に1つ1つシーンが作られていくのです。
今は動きの例えでしたが、動きだけではありません。
感情やエネルギーの積み上げという場合もあります。
うーん・・・なんだかわからなくなってくる、身体が動かない、とか
ひとつやれば一つ出来なくなっている・・・とか
難しいんです。簡単にできるものではありません。
今回の稽古でも、次々と出される要求。
あれー、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださーいっ(汗)
とあわわ状態になっている私です。
いえいえ、ひとつずつやっていかねば。
丁寧に積み上げる。
それをあきらめないで。
よい作品をよい芝居になるように努力の毎日です。
ああ、この作品と出会えてよかった!
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