世の中には
偶然うまくいった
なんだかわからないままに成功した。
などと、意図していないうちに、気が付かないままにいい方向に行くことがあります。
なんだか私はラッキー人間?!
うっふふ。
なーんて経験された方もいらっしゃるかもしれません。
演劇もあります。
偶然うまくいくということが。
しかしそれは才能でも実力でもありません。
ラッキーなだけなんです。
アマチュアや趣味ならもちろんOKです。
よかったね。
運が強いね。
と言って喜べばいいのです。
ただ、プロは違います。
二度とできない「運」ではだめなんです。
プロの舞台人は何回も同じ舞台を繰り返します。
そして来てくださるお客さまは毎回違います。
みなさん初めてわくわくして観に来てくださるのです。
大切な時間とお金を使って、電車を乗り継ぎ。
朝から楽しみに準備している方もいらっしゃるかもしれません。
その初めてのお客様に対して私たちは、
今日は失敗した
調子が出なかった
運が悪かった
などと言い訳はできません。
毎回毎回、新鮮に。
一つ一つ、まぶしい現実世界を繰り広げなくてはいけません。
何回も劇場一杯に同じような感動の渦をつくり、満足してもらわなければいけません。
もちろん舞台は生身ですから何が起こるかわかりません。
そのライブでさえ、素晴らしいものにしていくのです。
毎回同じことができる=同じように素晴らしいものにする
それは偶然でできるものではないのです。
稽古ではよくあります。
たくさんあります。
もう2度と出来ないかもという場面が。
それを繰り返して本物をつかんでいく。
あたかも偶然の産物であるかのごとく、意図してやっている。
でなければ次の舞台で同じことはできません。
しかし、本当に偶然「なにか下りてくる」ようなこともあります。
その時はそれをしっかりつかんで握りしめて次へつなげていくのです。
それができるのは、それまでの稽古、過程でそこまで掴んでいることが必須ですが。
こんな風に書いていても簡単にできるものではありません。
本当に厳しく困難な道です。
ただし、知っているのと知らないのでは全然ちがってきます。
若いうちに偶然の心地よさを知って、努力しないと大変なことになります。
特に若いうちは、「偶然できる」ことが多いのです。
若さゆえ、若いエネルギーなのか。
危険な落とし穴とでも言いますか(笑)
「わかってやる」
ということの難しさ。厳しさ。
芸術にはあいまいはありません。
師匠が言いました。
芸術には
本物か
本物でないものか
それしかない
公演のお申し込みはこちら
ラインでも受け付けています。
お芝居の申込&情報やワークショップの最新情報はライン@登録で!