こんにちは。
o-stageの椿留美子です。
先日のワークショップで、目をずっと見ながらセリフを相手にかける
というワークをやりました。
とにかくお互いにずっと目を合わせる
台詞を言っているあいだずっと合わせる
不自然でもやってみる
自分の持つエネルギーを相手に流していくイメージでやってもらいました。
その時のみなさんの感想は、
「目を合わせるのが苦手だとわかった」
「日常ではありえないことで新鮮」
「目を合わせ続けるのが難しい」
などなど。
そうです。
日常では話しかけるときに目を見ることはあっても、ずっと見続けることはありません。
話の内容によってとか、話の流れで他に目を移すことがほとんどでしょう。
恋人同士でもちょっとつらいかも(笑)
それをあえてやっていくワークなのですが、
やっぱり違和感ありますよね。
さらにセリフを言うときにはゆっくりゆっくり、
ゆっくりを意識してほどんど棒読みに近い感じで相手にかけます。
最初、私が教えてもらってやったときは
わけわからん!!
なんだ、この読み方は??
と、ただ言われるがままになんとなくやっていました。
私は人の目を見るのは苦手ではなかったので、そのことについてはそんなに違和感は感じませんでした。
ただ、セリフをゆっくり読むのがなかなかできなくて・・・
思わず抑揚をつけたくなったり、日常会話的に早く読んでしまったり。
まあ、苦手でした。
ゆっくり読んで、目を合わせる
相手に自分のエネルギーや気持ちを注ぐ
そして相手が話しているときも、
目を合わせてじっと相手を感じる
普段の日常生活にはない、動作はやりにくいものです。
これが理解できて、おもしろくなってくるまで何年かかかった気がします。
私が感じたのは、
相手が話す台詞の意味が明確になる
普段のスピードでは見過ごしていたであろう言葉が、ダイレクトに感じられる
目は合わせているのだけど、物理的な「目」ではない、
奥にある言葉の意味を見つめている
そういうことに気付いたとき、この台本読みがおもしろくなってきていました。
こんな時間がかかることは稽古中にはなかなかできません。
しかし、この時間がかかる面倒くさそうな稽古こそ、役をつかむ近道だと思ったのです。
役に迷ったとき
うまくいかなくて悩んでいるとき
相手の言葉がうまく入ってこないとき
自分のセリフが相手にかかっていないとき
そんなときにぜひやってみてほしい稽古方法です。
全部が全部うまくいくわけではないのですが、ここにヒントが隠れていることがあるのです。