たくさんの方々にお越しいただき千秋楽を迎えることができました。
ありがとうございました。
「歌わせたい男たち」
このお芝居は、
国歌斉唱の強制に反対の教師が、
卒業式で
「立つか」
「歌うか」
立たせたい、歌わせたい派の教師が一生懸命説得する。
実際にそんな事実が10年以上前におこっていて、
裁判にもなって話題になっていました。
自殺をした校長先生、
歌を伴奏したくない音楽教師、
不起立の教師が次々と罰せられていきました。
現在においては、そんなことがあったことすら知らない若い先生もいらっしゃるようです。
そして、娘(高3)の高校では、
「国家は宗教や家庭の事情がある人は歌わなくてもいいですよ」
と言っているそうです。
なんて緩やかになっているのか、と驚きました。
じゃあ、なぜ今この芝居をやるの?
ということですよね。
ちょっと話が古いんじゃない?
と思われる方もいらっしゃると思います。
そもそもこの事件は
選択する自由がなく
上からの命令で強制された
ということが問題になったのですね。
いつの時代の話?って思いますよね。
武家社会?
戦時中?
いえいえ(笑)
今も昔も変わっていないってことですかね。
心の自由ってどういうことだろう。
私たちは今、ネット社会で情報があふれています。
にもかかわらず、得る情報って偏っているなあと感じます。
なんでかなあ。
私にもわからないんですが。
自由自由って思わされて、実は情報から操作されているような気さえします。
本当に自分で考えて行動する。
って昔より困難になってきているかもしれません。
今回、実際に不起立だった元教師の方が何人か観に来てくださいました。
物語に深く入って感動してくださいました。
まだまだ傷は癒えていないのを感じました。
そして、心の自由について改めて感じました。
この物語のテーマはドラマの奥にもっと深いものがある。
「不起立か?」という物語だけど、
自由を奪われた企業戦士、ウツなどの心の病はまさに現代病で
ものすごく増えていると思います。
良き仲間たちとたくさんのことを話し合い、
そして作品を創り上げ
テーマを背負っていく。
お芝居は、読書でもなく音楽でも絵画でもなく、立体化して人に届けられる。
みんなで一緒に心震える空間を創り上げるというこの芸術に携われて幸せです。