お芝居を観てきました。
私が前にいた劇団の創設者であり、座付き作家である
八田尚之さんの作品です。
芝居には、先輩の俳優さん、芝居仲間も出演しています。
その劇団は今はもうありません。
私が入ったときはすでに八田先生はなくなっていて
奥さんの大女優宝生あやこさんが中心になって活動していました。
いろいろな方の作品を上演していましたが、もちろん八田作品も
上演されていました。
研究生の卒業公演で上演されたのを初めて観て感動しました。
八田作品はいろいろな登場人物が出てきてまさに
人間模様
を描いていきます。
その中には愛があふれている。
人間愛を描いている。
だからこそ、せつなくて私たちの魂は揺さぶられる。
今回の作品もまさにそうでした。
戦争の記憶。
そして仲間。
家族。
友情。
人生にはどうにもならないことってあるんですよね。
時代背景とか、周りを取り巻く環境が違っていても
そうだ、わかるわかる
自分に置き換えて考えることができる。
それが優れた作品なんだと思います。
私がなぜ芝居をやりたいのか、その答えが作品の中にはあります。
八田先生の言葉
胸底にしまひ忘れた
皆の 素朴な魂を ゆさぶる芝居を
つくりたい
私たちはどこに向かってゆくのか
ふとわからなくなるほど情報があふれている。
気づくとこんなはずじゃなかった道に迷い込んでいることもある。
今は亡き大女優であり演出家であり劇団主催の真山美保さんの本の中で
こうあります。
いい芝居を見せるのは大事なことです。
私たちの暮らしを考え直したり、今の世の中の間違いを見直したり
真剣な仕事ですよ。
これはある漁村で公演をやった時の主催者の老婦人の言葉です。
昭和の30年代ごろにすでにこう考えて行動をしていた方がいらしたことに感動します。
いいものを見せて
次の世代を背負ってもらう若者たちに
新しい考えを吹き込むために、と。
誰でも持っている素朴な魂。
忘れてしまった素朴な魂を起こし、呼びかけゆさぶる。
そうするとどんな未来が待っているだろう。
心ふるえる体験が明日の糧になり
また頑張ろうというエネルギーになる。
疲弊している社会に私たちに何ができるか。
そんなことを考える作品でした。
素晴らしい作品はいろんなことを巡らせてくれます。
今回も愛にあふれる作品に出会えてよかった。
役を創造する仕事 芸術の仕事。
現実を直視し、鍛えられたあらゆる力を集中し、
その現実から将来への可能性を導き出し
人間に一つの進歩を与える芸術の仕事。
(真山美保さんの著書より)
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